【世界各国の結婚指輪】その伝統的なスタイルや人気デザイン5選!

 
 
 
 
 
 
結婚指輪の購入を考え始めたあなたは、スマートホンでいろいろなタイプのデザインを探すことでしょう。
 
 
そんな時、日本のサイトだけではどうしてもそのバリエーションが偏って来てしまいます。
 
 
他の国々ではどんなデザインの結婚指輪がオーダーデザインされているのか、そして人気なのが知りたいと思いませんか。
 
 
世界各国の結婚指輪を見てみると、それぞれの伝統のスタイルやデザインがあり、また、その着け方も多種多様です。
 
 
 
このプログでは、17年以上に渡って5000組のカップルにオーダーメイドの結婚指輪をデザインし、届けてきたクラフトデザイナーが、海外の結婚指輪のデザインやその成り立ちについて詳しく伝えています。
 
 

_____________________

GIA・米国宝石学協会 宝石鑑定ディプロマ
 __________________
 GIA・米国宝石学協会  宝石鑑定ディプロマ
 
 
これから結婚指輪の購入を考えているあなたに、どの様に自分が好きな、そして自分に合った結婚指輪を探せば良いか、そのヒントがきっと見つかる事でしょう。
 
 
海外の結婚指輪のデザインやその歴史について、是非参考にしてみて下さい。
 
 
 
 

1.結婚指輪の本質はネアンデルタール時代から変わらない!

結婚指輪の本質はネアンデルタール時代から変わらない!
 
 
 
 
 
エジプトは現代の結婚指輪の発祥の地と見なされていますが、この伝統は実際には何とネアンデルタール時代から来ているのです。
 
 
ネアンデルタール人は、小枝や草を輪にして、花嫁の手首または足首の周りにまいて使っていました。
 

彼らはこれを忠誠心と友情の印とみなしました。

また、そうすることで妻の魂が損なわれず、妻が長生きできると信じていました。
 
 
結婚指輪の本質はここにあります。
 
 
信じる相手と永続的に繋がっていたいと思う、人間の本能を形に表したのが結婚指輪の起源であり、それは今でも変わっていません。
 
 

  エジプト・ローマ時代の結婚指輪

 

ネアンデルタール人が結婚指輪を発明してから数百年後、古代エジプト人は、草と葦を円に織り込んで、結婚指輪として使い始めます。

円は、彼らにとって永遠と完全を意味しました。

その後エジプト人は骨、革、象牙、麻で結婚指輪を作り始めます。

 

その頃から、エジプト人は左手の薬指に結婚指輪を着けていました。

 
その左手薬指からの静脈が、直接心臓につながっていると信じられていました。
 
その後彼らは金属を使って指輪を作ることが出来ることを発見しました。
 
 
そのため、金や銀で指輪を所有して、必要な時はそれを売り買いすることにより、リングマネーとしても使われていました。
 
 
女性がその指輪を受け取ったとき、彼女は常に夫の所有であると主張する必要がありました。
 
 
 
 ローマ時代には、結婚指​​輪はエジプト時代よりもロマンチックな意味を持つようになります。
 
ローマ人はこれを「愛の静脈」と呼びました。

 

Ring; Unknown; Roman Empire; 250 – 400; Gold, rock crystal; 2.9 × 2.5 cm (1 1/8 × 1 in.);
 
 
その既婚女性は夫の世俗的な所有と言うだけでなく、夫が持つ地位や権力と同等の権利を持っていることを示していました。
 
 
また、妻が彼の心の鍵を開けたという印としても役立ちました。
 
 
これを象徴するように、その妻はしばしば結婚指輪と一緒に夫の自宅の鍵も贈られたのでした。
 
 
 
それから更に長年にわたって、結婚指輪は今日の私たちが知っているスタイルにさらに発展して行きます。
 
 
たとえば中世のヨーロッパ時代には、結婚指輪はほぼ独占的に金で作られ、そこに宝石が使われていました。
 
 
また1940年代以降になって、結婚指輪にダイヤモンドを使うことが流行になっていきます。
 
 
 

■ 男性の結婚指輪は20世紀に入ってから

 
 
ごく最近まで、男性が結婚指輪を着用するのは一般的ではありませんでした。
 
 
男性がフォーマルに結婚指輪を着け始めたのは20世紀になってからのことです。
 
 
 
第二次世界大戦は、西側諸国にとってこの慣行に大きな変化をもたらしました。
 
 
それまでは、結婚指輪を指にする習慣は妻だけにあったものでしたが、特に第二次世界大戦中から特に米国の兵士の間に爆発的に広がっていきます。
 
 
戦地に赴く前に、妻とのペアリングを購入し、それを兵士たちは薬指に着けながら戦った姿が当時米国の新聞などでも取り上げられ、それが米国全土に広がっていったとて言われています。
 
 
そこには、男性が再び会うことが出来るかどうか分からない愛する人と繋がっていたいと思う気持ちが強くあったのでしょう。
 
 
その意味では、結婚指輪の本質はネアンデルタール時代から変わっていません。
 
 
今日の先進国の男性の大半は結婚指輪を薬指に着けています。

 

近年、男性の結婚指輪はさまざまな形になってきています。
 
それらは花嫁の要求が多分に含まれるようになり、さまざまな金属が使われるようになりました。
 
 
またデザインも多彩になり、ダイヤモンドを使用しているものもあれば、シンプルで洗練されたものもあり、個人的な好みをふんだんに入れる様になりまた。 
 
 
 
 

今では、宗教に関わらず多くの国で、結婚指輪をペアリングとして着ける習慣が根付いています。

ただ国によって違いがあるとしたら

 

● 結婚指輪をどの指に着けるか 

● どんなデザインの結婚指輪が人気なのか 

になるでしょうか

 

 

 

2.結婚指輪を薬指に着ける理由は?ローマ時代と中国から伝わる理由2つ

結婚指輪を薬指に着ける理由は?ローマ時代と中国から伝わる理由2つ

 

一般的には、世界各国において結婚指輪を着けるのは、左手の「薬指」となっています。
 
 
この慣習は長年にわたって続いており、ほと
んどの国がその伝統を守っています。
 
 
しかし、なぜ結婚指輪は左手薬指に着けるよ
うになったのでしょうか。
 
 
好きな指に着けてもいいですよね。
 
この長年にわたる伝統には、2つの興味深い
物語があります。
 
 


ローマ時代から結婚指輪は左手薬指に

ローマ時代から結婚指輪は左手薬指に

  

左手に結婚指輪をつけるという伝統は、古代

ローマで始まりました。

 

昔のローマ人は、左手の第4指の静脈が心臓に直接つながっていると信じていました。

 

彼らは、それが心臓に関連していると思った

ので、静脈を「愛の静脈」と名付けました。

 

それで、離れていても夫婦として繋がってい
るために、愛の脈がある左手薬指に結婚指輪

を着けるようになったと言われています。



生物学的には、私たちの手の指はすべて、心
への静脈が接続していますので、あくまで
もローマ時代からの慣習と言えます。
 
 

 

古代中国から結婚指輪は左手薬指の訳

古代中国から結婚指輪は左手薬指の訳

   

 
左手に結婚指輪を着けることは、中国人にと

って単なる結婚の儀式ではありません。

 

実際、彼らはこの慣習に興味深い理論を持っ
ています。
 
中国では、左手のそれぞれの指は、あなた
家族の過去、現在、そして未来の世代を象
すると考えられています。
 
親指はあなたの両親を表し、人差し指は兄弟
を、中指があなた自身を、そして4本目の薬指があなたの配偶者を象徴していると信じています。
 
ちなみに最後の小指は、将来あなたが持つ子
供たちを象徴しています。
 
 
この理論を証明する為の実験があるそうで
す。
 
 
 
手を合わせ、指の関節が触れるまで中指を曲
げます。
 

 
 
このとき、両手にある他の指が互いに触れ合
うようにします。
 
 
次に、各指を次々と徐々に離します。
 
これを行うと、親指、人差し指、小指が互い
に簡単に分離することがわかります。
 
中国人は、両親、兄弟、子供と永遠に一緒に
いる事が出来ないので、これらの指は簡単に
離れると信じています。
 
次に、配偶者を象徴する4本目の指(薬指)を分離してみます。
 
それらを引き離すのが難しいことに気づくで
しょう。
 
だから、中国では永遠のパートナーを表す左
手薬指に結婚指輪を着けるという慣習になっ
たというのです。
 
 
ただ、紀元前からローマと中国では、理由は
違えど同じ指に結婚指輪を着ける習慣があっ
たとは、偶然なのでしょうか、それともその時代から人の交流があったのでしょうか。
 
 
 
 

3.結婚指輪を左手の薬指に・右手の薬指に・両手に着ける国々

各国の結婚指輪を着ける手を示した地図
 
 
 
世界中のどの国でも、結婚指輪は、夫婦の生涯の愛とお互いへの献身を表しています。
 
 
指輪の交換は、数千年にわたって変化してきたとても重要なイベントです。
 
 
そして今日でも、結婚指輪については、国や宗教によって異なる文化的違いがあります。

米国(および他の多くの西欧諸国)では、結婚指輪は左手の4本目の薬指に付けます。
 
 
しかし他の多くの国では、結婚指輪を右手の薬指にする習慣があります。
 
どこ国で結婚指輪を右にするのか、結婚指輪の伝統の歴史と背景を詳しく見てみましょう。
 
 

■ 左手の薬指に結婚指輪をする国

左の薬指に結婚指輪をする国
 
 
 
北米、南米、イギリス、イタリア、フランス、スロベニア など
   
欧米諸国のカップルは一般的に左手に 結婚指輪を着用しています。
 
 
米国では、多くの女性は左の薬指に、婚約指輪と結婚指輪の両方を重ねて着用しています。
 
 
指輪の重ね方は、花嫁の個人的な好みによって異なります。
 
 
多くのアジア諸国でも、結婚指輪を左手に着用する傾向があります。
 
 
 

 右手の薬指に結婚指輪を着ける国

 
 
 
インドでは伝統的に、右手に結婚指輪を着けるのが習慣です。
 
左手は汚れていると考えられているからです。
 
 
ただし、現代のインド人は米国などの習慣に合うように左手に指輪を着用することもあります。
 
 
デンマーク、ノルウェー、ロシア、ポーランド、ブルガリアを含む多くの北および東ヨーロッパの国々では、右手の薬指に結婚指輪を身に付けることが一般的です。
 
 
ポルトガル、スペイン、ギリシャでも結婚指輪を右手に着けるのが慣習です。
 
 
 

 左手と右手を組み合わる国


ブラジルでは、カップルはそれぞれの右手の薬指に結婚指輪を婚約指輪として着けています。
 
そして、彼らが婚姻の誓いをした段階でそれらの指輪を右手から左手に付け替えるこういを行います。
 
ドイツとオランダのカップルは、正反対のことを行います。
 
左側が婚約指輪、右側が結婚指輪です。

 
ユダヤ人の伝統では、新郎は花嫁の右手の人差し指に指輪を着けてあげます。
 
今日、花嫁は通常式典の後で結婚指輪を薬指に移動します。
 
 
 
 
 

4. 欧州各国の人気の結婚指輪デザイン

ゴールドの結婚指輪
ほとんどのヨーロッパ諸国では、結婚指輪を選ぶ際に、14金を基準としています。
 
 
ただ、純度の高い金製品を好む国の人々は、しばしばK14またはK9カラットの金製品は安物であると考えます。
 
 
オランダの法律では、14カラット未満の金は金製品と呼ばれません。
 
にもかかわらず、10金が一般的であるドイツや米国のような国でも、9金がますます人気が高まっています。

 

西側諸国とは異なり、アジアの国々ではより純度の高いイエローゴールドが購入されており、18金および22金が標準と見なされています。
 
 
これにはアジア特有の宗教的意味合いが含まれており、インドでは古来より金は優位性、美の象徴として崇められ、花嫁に与えられる金が多いほど、彼女はより幸せになると信じられています。
 
 
新郎は、金の含有量が高ければより耐久性が増し、長持ちする結婚指輪をすることは、長持ちする結婚に結びつくと考えられているのです。
 
 

  英国 & 米国 のセットリングスタイル

 

英国 & 米国 のセットリングスタイル

 


今では、先に贈られる婚約指輪と結婚指輪を重ねて着けるセットリングは定番のスタイルとなっています。
 
イギリス、そしてアメリカが複数のリングを重ねて着けるセットリング発祥の地と言っていいでしょう。
 
 
 イギリス、そしてアメリカが複数のリングを重ねて着けるセットリング発祥の地と言っていいでしょう。
 
 
 
 
まずプロポーズで貰った婚約指輪を右手の薬指につけます。
 
結婚後には、婚約指輪を左手の薬指にしますが、結婚指輪の上に着けるのが一般的です。
 
これは、結婚指輪が心臓の近くにあるようにする理由から来ています。
 
そして3つめの指輪は、最初の結婚記念日または最初の子供の誕生日に妻に贈られます。
 
これは、結婚指輪と婚約指輪の上または反対側のどちらかに3本重ねて着けます。
 
 
 最初に婚約指輪を、次に結婚指輪を指に重ねてセットして、婚約から結婚に繋がる「永遠の指輪」として多くアメリカ人は考えるのです。
 
 

 

■ ロシアとフランスの結婚指輪

 
 
 
フランスでは、他のヨーロッパ諸国とは異なり、婚約指輪には、ダイヤモンドの代わりにルビー、エメラルド、またはサファイアなどの宝石を伝統的に使います。
 
 
 
一方ロシアでは、トリプルロールリングとして知られる3つのマルチカラーの連動したデザインの結婚指輪が人気です。
ロシアで人気の三連リングの結婚指輪
ピンク、ホワイト、イエローゴールドのこれら3つのバンドは、キリスト教のロシア正教の聖三位一体、またはカップルの過去、現在、未来を象徴しています。

 

 

 

ケルト諸国の結婚指輪 クラダーリング

ケルト諸国で伝統的なクラダーリングの結婚指輪
ケルトの地域(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュ、コーンウォール、マン島)では、結婚指輪はしばしばクラダーデザインの結婚指輪が伝統的なデザインになっています。

 
これらのデザインは愛、忠誠心、友情を表しています。
 
手は友情を表し、心は愛を表し、冠は忠誠心を表しています。
 
リングは、17世紀に遡るゴールウェイのアイルランドの漁村クラダーで最初につくられたと考えられています。
 
 しかし、握りしめられた手のジェスチャーから、起源は誓約の象徴であったローマ時代にさかのぼるとも言われています。
 
 
20世紀の終わりにかけて、アイルランドのアイデンティティの象徴に進化しましたこのクラダーリングは、今では結婚指輪としてだけではなく、多くの人に人気となっています。

 

 

 

 ■ 北米先住民族の結婚指輪

北米先住民族の結婚指輪

 
 
西洋のデザインと最も異なる結婚指輪は、まだ北アメリカに住んでいる多くのネイティブアメリカンの部族によって身に着けられているものです。
 
彼らは結婚指輪のデザインに、自分たちの文化や伝統とつながりのある材料やシンボルを好んで使います。
 
例えば、指輪はほとんどの場合銀で作られており、半貴石やターコイズ、赤サンゴ、貝殻などの天然素材で装飾されています。
 
 
リングには、多くの場合、その特定の文化にとって神聖であると考えられているシンボルや動物の模様が入っており、ヘラジカ、バッファローが伝統的に刻まれてます。
 
これらは、北米の多くの先住民の主食です。
 
 
また、太陽、木、土地の他の自然の果物など、人間または地球の形で有名な精神のシンボルが刻まれている場合もあります。
 

 

私たちが想像する結婚指輪とはかなり異なっています。
 
 


5. 結婚指輪の宗教的伝統

 

.結婚指輪の宗教的伝統


結婚指輪は必ずしも左手に装着されているわけではありません。
 
宗教により結婚指輪の着用スタイルも変わってきまます。

 

 

カトリックの結婚指輪のスタイル

 
 
カトリックの国では、人々は実際に右手に結婚指輪を着けています。
 
右手に結婚指輪を身に着ける理由のひとつとして、左手を ‘悪’と見なす思想から来ています。
 
実際、ラテン語の左の単語は「不吉」であり、今でも否定的で暗い意味合いがあります、
 
 
 
しかし、これはすべてのカトリック教徒に当てはまるわけではありません。
 
たとえば、オランダのカトリック教徒は左手に指輪を着用しますが、オーストリアのカトリック教徒は右手に指輪を着用します。
 
ベルギーでは、住んでいる地域によって異なります。
 
 

 

プロテスタントの結婚指輪のスタイル


プロテスタント信仰の信者は右手、左手の両方に結婚指輪をつけます。
 
左手の薬指に指輪を装着する理由は、左の薬指は心臓と繋がっているという宗教観から来ています。
 
これが世界的に左手の薬指に結婚指輪をするのが一般的になった理由とされています。
 
 
いかがでしたでしょうか。
 
 
 
結婚指輪の背景にある起源と文化を、あなたが結婚指輪をオーダーする際に必ずしも考慮に入れる必要はありません。
 
指輪のデザインを考える場合、まずはあなた自身の好みが最も大切でしょう。
 
 
ただ、様々な文化や国が何年にもわたって私たちに受け継いできた沢山のデザインや伝統から、インスピレーションを得てみるのもまた素晴らしい体験です。
 
 
ご覧のとおり、結局結婚指輪の着用スタイルは、あなた自身の個人的な好みになってきます。
 
選択肢はたくさんありますが、どれがあなたに合っていますか?
 
上記のさまざまな文化や伝統からくる結婚指輪のスタイルからインスピレーションを受けて、あなただけのオンリーワンマリッジをオーダーして見ましょう。
 
 
 
筆者 
ヨーアンドマーレ代表
GIA・GG  米国宝石学協会 鑑定士 島田 洋輔