【ダイヤモンド鑑定書】その3つの重要性を宝石鑑定士が完全解説!

 
【ダイヤモンド鑑定書】その3つの重要性を宝石鑑定士が完全解説!
 
 
 
 
ダイヤの婚約指輪を購入すると、必ずそのダイヤモンドの品質や同一性を示す為の、
『 鑑定書』を一緒に受け取る形になります。
 
 
ダイヤモンドの性質上、素人にその品質や同一性を確認する事は難しく、信用できる第三者機関からの鑑定書が必要となります。
 
 
ただ、その鑑定書にはいったい何が記されていて、どのようにダイヤモンドの証明をしているのか、婚約指輪を購入するにあたり、知っておいて損はありません。
 
 
 
 
このプログは、宝石の権威、米国宝石学協会・GIAの宝石鑑定士であり、ダイヤモンドのエキスパートバイヤーが、ダイヤモンドの鑑定書とは、そしてその内容ついて詳しく伝えています。
 
 
 

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GIA・米国宝石学協会 宝石鑑定ディプロマ
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 GIA・米国宝石学協会  宝石鑑定ディプロマ
 
 
 
これからダイヤモンドの婚約指輪を贈ろうと考えているあなたが、ダイヤモンドの鑑定書とは、そしてなぜ必要なのかを知ることによって、理想のダイヤモンドを選び、贈る相手にもしっかりと伝えることが出来るようになります。
 
 
是非参考にしてみて下さい
 
 
 
 
 
 
 

1.ダイヤモンド鑑定書には写真と10項目以上の品質内容が記されている

GIA ダイヤモンド鑑定書 
 
 
 
ダイヤモンド鑑定書には、その鑑定機関によって、何種類かあります。
 
中でも、日本では中央宝石研究所が最も信頼性が高く、メジャーな鑑定機関とされています。
 
 
 
ここでは、中央宝石研究所発行のダイヤモンド鑑定書を例にとって、内容を説明していきましょう。
 
 
 
        【 中央宝石研究所発行の鑑定書】
 中央宝石研究所発行の鑑定書
 
 
 
上記鑑定書は、見開き1枚のもので、左側に当該ダイヤモンドの品質を10項目にわたり記されています。
 
また、右側には正面フェイスアップの写真と、ダイヤモンドを横から見た時の、それぞれの数値が記されています。
 
 
 

10項目のサイズ・品質について表示

 鑑定書10項目のサイズ・品質について表示
 
 
上から順にその表示内容をお伝えます。
 
 
 

1. カット・形状

 
ダイヤモンドにはいろいろな形のものがあり、その形の名称を英語表記にて表示しています。
 
 
上記鑑定書 :  ROUND  BRILLIANT  CUT
 
 
58面を持つ丸くカットされたダイヤモンド。
 
最も一般的に婚約指輪等に使われるカットで、ダイヤモンドの品質価値基準になるカットてす。
光るダイヤモンドはカットで決まる!
 
 
 
その他のダイヤの形の場合には、
 
 
 PEAR  BRILLIANT  
 
洋梨のような形から名称が付けられた
「 ペアシェイプカット 」
 

 
 
 
  EMERALD CUT
 
エメラルドに使われている形から名称が付けられた「 エメラルドカット 」
 
 
 
 
 
ダイヤモンドの形にはそれぞれに名称がありますが、世界的に名前の通った形以外のものには、
 
 
 ●  FANCY CUT  
 「 ファンシーカット」として表示されます。
 
 
 
 
 【ダイヤモンドの形9種類】を一挙紹介!宝石鑑定士がその特徴を徹底解説
 
 
 
 

 2. 寸法

 

当該ダイヤモンドの縦、横、および深さサイズを「 mm 」単位で表記しています。

実際には、丸いラウンドブリリアントの場合は縦、横、はないので、最大直径値と最小直径値を示しています。

 
上記 :    4.33     ー     4.38      ×     2.08

          最小直径          最大直径           深さ

 

 

3.  重量 . カラット

 

当該ダイヤモンドの重さをカラット表記・ctで表示します。

1カラットは0.6gである事を前提にしたものです。

 

上記鑑定書  :  0.306 ct ・カラット

 
 

 

4. カラー( 色 )の等級 

 白いダイヤは D, E, F カラー

 

 

無色のトップ等級・Dカラーから色の付加に従って、

D・ E・F・G ・H・I・J・K・・・

と等級が下がっていく減点制にて等級が付けられます。

 
上記鑑定書  :  カラー
 
 
 

5. 色の起源

 

色が人工的に付加および減少させたものか、採掘された時の色、つまり天然・NATURALかを表示しています。

今は、技術的にダイヤモンドの色を減少させたり、または付加させたりする事が可能です。

ただし、人工的な色か天然の色かを判別する技術もまた確立されており、鑑定書にはそれが明示されます。

 

上記鑑定書 :  天然・NATURAL

 

 

6. クラリティ( 透明度)の等級 

 

クラリティ( 透明度)の等級 

 

 

当該ダイヤモンドの表面のかけやキズ、内部の内包物の量や位置によって、見かけの美的透明度を測った等級です。

 

昔から、ダイヤモンドの品質を決める中心の等級に位置づけられてきたものであり、一般の人にも『 キズがある、キズがない 』など、分かりかやすい等級といえます。

 

その等級のトップになるのが、

 

•  F( フローレス)  

ー ダイヤモンドの表面、内部共にキズや内包物が全くないもの。

 

以下

• IF(インターナリーフローレス)  

ー ダイヤモンドの内部に内包物が全くないもの。

 

• VVS1・ VVS2

ー 10倍の『顕微鏡』でダイヤモンドの内部を見た時、内包物が非常に小さく認識が難しいものを VVS 1とし、それに準じるレベルを VVS2としています。

 

• VS1・ VS2

ー 10倍の『ルーペ』にてダイヤモンドの内部を見た時、内包物が非常に小さく認識が難しいものを VS1とし、それに準じるレベルを

VS2としています。

 

• SI1・SI2

ー 10倍の『ルーペ』にてダイヤモンドの内部を見た時、内包物の大きさや位置が認識できる認ものを SI1とし、かなり明確に認識出来るものをSI2としています。
 
 
 

• I1・I2・I3

ー 10倍の『ルーペ』にてダイヤモンドの内部を見た時、内包物の大きさや位置がハッキリと認識でき、裸眼で見た場合に、その透明度を減退させるレベルをI1とし、その度合いが増して行くに従って、I2、I3にて、明らかに品質等級が低くいものとなります。
 
 
 上記鑑定書  :  VS2
 
 
 

このクラリティの等級を決定づける『 内包物』は、同鑑定書の右側にある、正面フェイスアップの写真に映り込むことがあり、SI以下の等級の場合に写真の中でハッキリと確認できます。

従って、内包物が写真内に映り込みのないダイヤモンドを選ぶ場合には、VS等級以上が必要になります。

 

 

7. カットの等級 

 
 
 
 
当該ダイヤモンドの直径を100とした時の、各部の比率数から、カット等級が導きだされます。
 
その各部とは、鑑定書の右側にダイヤモンドの横からの画とともに記されており、同時に実質の測定数も表示されています。
 
その数 11項目
 
 
 
 

例えば上記にて、

•  全体の深さ      ー  60.8 % 

•  テーブル面       ー  56 %

•  クラウン角度   ー  33.5 %

 

など、11項目の数値をもとに、カット等級が決められます。
 
カット等級は以下になります。

 

EXELLENT  VERY GOOD

GOOD             • FAIR

• POOR

 

 上記鑑定書  :  VERY GOOD 

 

 
 

8. 研磨状態

 

当該ダイヤモンドをカット加工した際の仕上げにおいて、その表面に残った研磨痕から、その研磨状態の等級を表示しています。

 

研磨状態が悪いダイヤモンドは、その輝きを減退させるため、その良し悪しは品質に大きく関わって来ます。

 

研磨状態が最上の等級を

EXELLENT 

として、それから以下の等級になります。

 

VERY GOOD     GOOD      

• FAIR                 • POOR

 

 上記鑑定書  :  GOOD

 

 

9. 対称性

 

ラウンドブリリアントのダイヤモンドは、上下から見た場合、そして横から見た場合、左右対称になるようにカットされています。

 

もしその中心がずれていたり、センターに引いたラインから、左右の同じ面への距離が違うと、それは左右非対称なカットとなり、その輝きを減退させる大きな原因になります。

 

 

左右対称性の最上の等級を

EXELLENT 

として、それから以下の等級になります。

VERY GOOD     GOOD      

• FAIR                 • POOR

 

 上記鑑定書  :  GOOD

 

 

以上、7、8、9  の項目は、いずれもダイヤモンドのカット品質に関することで、近年ダイヤモンドの品質評価において最も重要と考えられています。
 
 

ダイヤモンドの最大の魅力である、光の輝きやスパークは、全てこれらカットの品質状態に左右されるため、最上のカット品質を得るための技術革新はめざましいものがあります。

 

   婚約指輪のダイヤはカットで決まる!【宝石鑑定士が教える】3つの >

 

 

 
また、最上級の等級・EXELLENT が3つの項目全てに与えられたカット品質を、最上のカットグレードとして、
 
 
    •  トリプルエクセレント
        3EXCELLENT  CUT
 
 
 
と称され、カットに関しては完璧なレベルを示すもので、異次元の輝きを与えます。
トリプルエクセレントカットは完璧なレベルを示 すもので、異次元の輝きを与えます。
 
 
 
 
 
 

10. 蛍光性

 

ダイヤモンドは、直射日光や蛍光灯に含まれる、目に見えない紫外線(UV)さらされると、柔らかい青色の光を放つ合があります。
 
 
これをダイヤモンドの蛍光性と言います。
 
この蛍光性が強くなると輝きにクリアさが無くなり、幕が張ったような、ぼやけた感じになります。
 
 
多くのダイヤモンドが、この蛍光性を含んで
おり、その青色光の強さはダイヤモンドによ
って異なる為、その強度を5段回の等級にして鑑定書に表示されます。
 

 

蛍光性を全く含まないものを最上の等級として、

NONE

とし、蛍光性が加わっていくに従い以下の等級になります。

 

FAIR                   

MEDIUM BLUE

• STRONG BLUE  

• VERY STRONG BLUE

 
 
 
 
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2.ダイヤモンドの鑑定書はどこが発行するのか

ダイヤモンド鑑定書はどこが発行するのか? 
 
 
 ダイヤモンドの品質と価格を決定するグレーディングシステムは、米国宝石学協会(GIA)により考えられました。
 
世界で最も権威のある鑑定機関は、GIA (米国
石学協会 ) と、EGL ( ヨーロッパ宝石研究所 )です。
 
 
特にGIAは、世界のダイヤモンドの評価基準
となっており、日本の宝石鑑定機関もまた、
GIAの基準を遵守しています。
 
 
これらのダイヤモンド鑑定機関は、完全に独
立した国際機関であり、厳格なダイヤモンド
グレーディング基準を守り、世界の基準に従
って、正確かつ公正にダイヤモンドの鑑定が
行われています。
 
 
日本の宝石鑑定機関として権威があるのは、
CGL ( 中央宝石研究所 ) と、AGT です。
 
上記 の内容の説明に使用した鑑定書は、
 CGL ( 中央宝石研究所 ) であり、これもまた、GIA基準を遵守しており、ダイヤモンドを購入した場合に受け取る鑑定書が、この2機関のものであれば問題はありません。
 
 
 
【 中央宝石研究所発行の鑑定書】
 中央宝石研究所発行の鑑定書
 
 
 
 
 【 GIAの鑑定書】
GIA ダイヤモンド鑑定書
 
 
 
 

3.なぜダイヤモンド鑑定書は大切なのか

なぜダイヤモンド鑑定書は大切なのか 
 
 
 
ダイヤモンドは、その鑑定結果から出てきた
品質によって、市場価格や価値が判断されま
す。
 
 
もし再びそのダイヤモンドを他者に売る場合
や、そのダイヤモンドに保険をかける場合に
は、鑑定書での評価が基準となります。
 
したがって、宝石店からダイヤモンド鑑定書
を確実に受け取ることが重要です。
 
 
信頼出来る宝石店であれば、最初からダイヤ
モンドの鑑定書を提示して来るでしょう。
 
 
 
購入時にダイヤモンドの鑑定書を提示しない
で、後で鑑定書を送ることを提案する場合に
は注意が必要です。
 
 
購入したダイヤモンドと、その鑑定書の同一
性の確認は、あくまでお客様の責任にて行わ
れる必要があります。
 
 
ダイヤモンドの鑑定評価が婚約指輪の価値を
表し、また資産として見る場合にも、この鑑
定書での評価が大切になります。
 
 
 
 
いかがでしょうか。
 
今から婚約指輪の購入を考えているのであれ
ば、鑑定書についてしっかりと担当者に確認
するようにして下さい。
 
 
 
 
筆者 
ヨーアンドマーレ代表
GIA・GG  米国宝石学協会 鑑定士 島田 洋輔
 
 
 
  
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