あなたは、色のついたカラーダイヤモンドを知っていますか。
ダイヤモンドは白だけでなく、多くのカラーダイヤが採掘されています。
結婚指輪にカラーダイヤモンドを留めて、個性的にデザインしてみたいと思いませんか?
このプログは、宝石の権威、米国宝石学協会・GIAの宝石鑑定士であり、ダイヤモンドのエキスパートバイヤーが、7色のカラーダイヤモンドとは、そしてそれを使った結婚指輪のデザインについて伝えています。
_____________________
__________________
GIA・米国宝石学協会 宝石鑑定ディプロマ
このブログを読み進めば、カラーダイヤモンドを使って自分好みの結婚指輪をデザインし、オーダーメイドする楽しさが分かる内容になっています。
是非参考にしてみて下さい。
1. ダイヤモンドには白以外にどんな色があるの?
ダイヤモンドは、無色透明と思っているあなたを驚かせるほど、いろいろな色をつくりだします。
白いダイヤモンドは、4つのC(カラー、クラリティ、カット、およびカラット重量)から、その品質評価、そして価格を決めます。
色は無色透明がもっとも価値が高く、色がつくに従って下がって行きます。
一方、色がはっきりとしたカラーダイヤモンドは、その色の濃い方が希少価値が高く、色が濃くなるに従ってその希少価値、及び価格も上がっていきます。
天然ダイヤモンドとしては、
・ホワイト ・ブルー ・イエロー
・オレンジ ・レッド ・グリーン
・ピンク ・パープル ・ブラウン
・ブラック
等等、多彩な色が採掘されています。
色が最も濃いものについては、
• INTENSE(強烈な)
• FANCY(上質な)
のカラー評価が鑑定書に付記され、希少価値の高さを表します。
■ ダイヤの原石のほとんどは色がついている
工業用で使われる品質のダイヤモンド原石
私たちが考える、純粋な白のダイヤモンドは、採掘量全体の1%未満、また、美しい色がハッキリと出たカラーダイヤモンドもまた、全体の1%未満です。
つまり、採掘されるダイヤモンドのほとんどは、きれいではない中途半端な色がついた、工業用に使われるレベルのものです。
■ どうしてダイヤには色がつくのか
ビビットイエローカラーのダイヤモンド原石
私たちが見ている純粋な白のダイヤモンドは、完全に透明で無色のように見えますが、実際には微細な内包物を含んでおり、その内包物によっていろいろな色が作り出されます。
天然ダイヤモンドは、地球の表面下約30km以上の深さ、マントル内で長い年月にわたり、途方もない圧力と熱によって形成されてきたものです。
その間に、多くの炭素含有物が取り込まれ、ほとんどが茶色がかったものになりますが、稀に違う種類の成分が取り込まれた時、特有のカラーを帯びたダイヤモンドが形成されるのです。
中でも、ブルー 、レッドやピンクカラーは別格の存在とされ、高価なものになると、億単位のものも存在します。
2.結婚指輪にピンクダイヤモンドを
あなたは、天然のピンクダイヤモンドを見たことがありますか?
もし、婚約指輪で使われる 0.3カラット台以上の大きさのピンクダイヤモンドを、近くの宝石店で見た事があるのであればラッキーです。
何故なら、価格は200万円前後になり、購入顧客はなかなかいない為、一般的に在庫として置いていないからです。
また、1カラット以上の大きなサイズのピンクダイヤモンドとなれば、1千万円以上になり、私も長いダイヤモンドのバイヤー経験の中でも、数回しか見た事はありません。
ピンクダイヤモンドの希少価値、価格共に白いダイヤの10倍以上です。
ピンクダイヤモンドを婚約指輪や結婚指輪にデザインしたいと考えるのであれば、1.5mm位の大きさのものを、ワンポイントで使う事をおすすめします。
それでも1ピース 5万円前後の価格になりますが、実際的です。
ピンクダイヤモンドがセットされている結婚指輪や婚約指輪では、既製品としては非常に少なく、希望のセミオーダーやオーダーメイドにて依頼する必要があります。
その際、必ずセットする候補のピンクダイヤモンドを3〜4ピース見せてもらい、そのピンクカラーの品質と価格のバランスをしっかりと確認して下さい。
2-1.鑑定士からピンクダイヤの裏知識
ピンクダイヤモンドと、透明なクリアダイヤモンドとはその形成過程が違います。
地球のマントル内で大きな熱と圧力が加わった時、ダイヤモンドの形成過程において、結晶格子を歪ませます。
これらの歪みの結果、石は緑色の光を吸収し、全体的にピンク色になるのです。
この生成が行われる鉱山からはピンクカラーのダイヤモンド採掘されるのですが、最も採掘量の多いのが、オーストラリアのアーガイル鉱山です。
■ 最高品質のピンクダイヤはアーガイル鉱山から
オーストラリア・アーガイル鉱山から採掘された、ピンクダイヤモンドの原石
アーガイルダイヤモンドは、オーストラリア北西部のイーストキンバリー地方、アーガイル鉱山で採掘されています。
この鉱山をとても有名にしたのは、世界で唯一知られている、インテンスピンクとレッドダイヤモンドを採掘したところからです。
その最高品質のピンクダイヤモンドの供給量は、世界の90%以上を生み出します。
アーガイル鉱山のカラーダイヤモンドの希少性、そして2022年中に鉱山が閉鎖されると予測されているため、その需要はこれまでになく増しています。
3. ブルーダイヤモンドを結婚指輪に
天然のブルーダイヤモンドは希少性が非常に高く、忘れられないほど美しい宝石です。
この青色は、ホウ素と炭素の結合から生じ、それが次に光スペクトルの赤、黄、および緑の部分を吸収するところから、青の色を生成します。
天然の青い色のダイヤモンドは非常に稀で、その青の度合いは、ブルーダイヤモンドの価格に大きく影響します。
0.50カラットのライトブルーダイヤモンドの価格は約500万円です。
これが、濃い色のブルーダイヤモンドになれば約1300万円します。
天然のブルーダイヤはあまりにも高額になる為、結婚指輪や婚約指輪に使うのは実際的ではなく、結婚指輪などにワンポイントで使われている小さなブルーダイヤのほとんどがカラー処理されています。
■ カラー処理された濃いブルーダイヤ
ディープブルーダイヤモンド
■ カラー処理された淡いブルーダイヤ
アイスブルーダイヤモンド
ただカラー処理されたものでも、その色合いによっては白いダイヤモンドより高価になります。
ブルーダイヤは、結婚指輪や婚約指輪に効果的に使えば、美しいデザインにする事が出来る、素晴らしいアイテムです。
ブルーダイヤモンドを使ったリングを、既製品の結婚指輪で見つけるのはなかなか難しいと思います。
やはりセミオーダーにてブルーダイヤが追加可能なお店を探すか、オーダーメイドにて依頼する事をおすすめします。
その時は、その大きさと色合いの品質、そして価格をしっかりと確認してから、オーダー依頼しましょう。
3-1.鑑定士からブルーダイヤの裏知識
良質なブルーダイヤモンドは、南アフリカのゴルコンダ地域にあるカリナン村のプレミア鉱山にて主に採掘されています。
ブルーダイヤモンドでもっとも有名なものとしては、45.52カラットのホープダイヤモンドでしょう。
その鮮やかな青い色と、そのサイズの大きさで最もよく知られていますが、同時に今までその所有者に不幸をもたらして来たことで有名なブルーダイヤモンドです。
もしブルーダイヤモンドの婚約指輪に興味があり、資金にも余裕があるようでしたら、一度わたし達ヨーアンドマーレに問い合わせてみて下さい。
4.ブラックダイヤモンドを結婚指輪に
ブラックダイヤモンドを見たことがありますか。
ダイヤモンドは白いもので、ブラックダイヤモンドとは、イミテーションでつくられたものと思っている人もいますが、実際には、本物のダイヤです。
近年ブラックダイヤモンドの人気は高く、特にシルバーアクセサリーやメンズリングに使われるようになり、大切なファッションアイテムとなりました。
その理由として、白いダイヤモンドに比べてリーズナブルで、採掘量も多いことから、使いやすいことが挙げられます。
■ 小さなブラックダイヤは 約¥ 4.000/1P
ファッションダイヤとしては、ある程度の価格で、気軽にデザイン出来る必要があります。
その点ブラックダイヤモンドは、結婚指輪にデザインアクセントとして、セットするのであれば、1ピース ¥ 4.000前後で可能です。
男性結婚指輪に、デザインアクセントとしてブラックダイヤモンドはおすすめです。
ブラックダイヤモンドは、結婚指輪を個性的なデザインへと変化させ、既製品にはない2人だけのリングにします。
4-1. 宝石鑑定士からブラックダイヤの裏知識
ブラックダイヤモンドは、単一元素、炭素Cから出来た結晶体ですが、透明度はありません。
透明度の高い白いダイヤモンドと違い、黒以外の色を吸収しているためで、しっかりと光を反射しています。
他の黒い物体で、これほど光る「 ブラック 」はありません。
小さくても「 光るブラック 」を男性リングにに入れた時、デザイン性を数段レベルアップさせます。
5.ブラウンダイヤモンドを結婚指輪に
あなたはブラウンダイヤモンドを見た事がありますか?
茶色?なかなか想像がつきませんよね。
ただ、結婚指輪、特に男性リングにはおすすめのダイヤモンドです。
何故か? 白いダイヤモンドは輝き、男性リングには輝き過ぎでしょうか。
ブラックダイヤは、そのデザインを一気にモノトーンスタイルにしてくれますが、かなりアクセサリー感が強くなります。
その点ブラウンダイヤでしたら、プラチナに留めれば柔らかいコントラストを出してくれます。
また、ゴールドに留めれば同系色なので、溶け込んだ深い色合いになります。
ブラウンダイヤは、男性結婚指輪を大人のオシャレ感をプラスしてくれるのです。
また、レディスリングにもまた、ゴールドやピンクゴールドに留めれば、同系暖色にて柔らかく溶け込んでいきます。
ピンクゴールドに薄いブラウンカラーのダイヤをハーフに留めたエタニティリング
■ 小さなブラウンダイヤも約¥ 4.000/1P
また、ブラウンダイヤモンドは、ブラックダイヤモンドを除き、最も手頃な価格の天然色のカラーダイヤと言えます。
結婚指輪に留めるレベルの大きさであれば、1ピース ¥ 4.000 ほどにて、ブラックダイヤと並んで、オーダーデザインしやすい価格です。
ブラウンダイヤ ¥4.000 / 1P にて留めたゴールドリング
■ 宝石鑑定士からブラウンダイヤの裏知識
1950年代までは、ブラウンダイヤは宝石とは考えておらず、主に工業用に使用されていました。
しかし、1900年代後半からブラウンダイヤモンドがブランド化され、人々の視点が変わりました。
今ではブラウンカラーは、コニャック、シャンパン、アンバー、チョコレートなど、色々にネーミングされ、世界的に認知されています。
上記のブラウンダイヤはコニャックダイヤモンドと呼ばれ、深い赤褐色の酒にちなんで名付けられした。
また、色がより明るいシャンパンダイヤモンドもあり、下の写真を見るとわかるように、シャンパンダイヤモンドはリングにセットされると、驚くほど美しく見えます。
ブラウンダイヤモンドは、一見個性的で好き辛いがハッキリ出る宝石に見えますが、デザイナーから言わせると、組み入れ方次第で、 デザインき「 キレ 」を与える、すばらいアイテムだと思います。
ブラウンダイヤモンドは、いかがでしょうか。
6. イエローダイヤを結婚指輪に
あなたは、イエローダイヤモンドを見た事がありますか?
イエローダイヤモンドの中でも最上級のカラー、『 カナリアイエロー 』と呼ばれ、息を呑む美しさです。
カナリアイエローカラーのスクエアダイヤモンドを留めたリング
イエローダイヤモンドは最も一般的なタイプのカラーダイヤモンドです。
イエローカラーは、全てのカラーダイヤモンドの約60%を占めています。
黄色のダイヤモンドのカラースケールは下記の様になります。
一番右に位置する、最も鮮やかなビビットイエローは最も価値があり、高価な黄色のダイヤモンドです。
結婚指輪に使われる位の小さなイエローダイヤだとしても、すばらいビビットカラーであれば、同じ大きさの白いダイヤモンドに比べて、2倍以上の価格になります。
また、既製品でイエローダイヤを入れた結婚指輪は皆無なので、やはりオーダーデザインにて、依頼する必要があります。
■ 宝石鑑定士からイエローダイヤの裏知識
天然に存在する黄色いダイヤモンドは、地球のマントル内で、窒素原子がとりこまれ作成されます。
窒素原子の配置によって、ダイヤモンドに光スペクトルの青色領域の光が吸収される事によって、それに黄色のみが可視化されるためです。
これと同様に、窒素原子が入ったダイヤモンドは、黄色加えて、オレンジ色、緑色、または茶色にとなることが知られています。
■ その他のカラーダイヤモンド
上記の5色以外にも話題に上るカラーダイヤモンドがあります。
• グリーンダイヤモンド
• バイオレットカラーダイヤモンド
ただ、以上の3色の天然ダイヤモンドについては、あまりに希少価値が高く、ダイヤモンドの鑑定をする機会は、ほとんどありません。
結婚指輪や婚約指輪に使用するに当たっては非現実的なカラーダイヤモンドといえます。
いかがでしたでしょうか。
私たち全員がこれらの高価なカラーダイヤモンドを購入できるわけではありません。
ただ、結婚指輪や婚約指輪をオーダーメイドする際には、ダイヤに色のバリエーションを加えて、より個性的にオリジナル感溢れるデザインにできることでしょう。
是非検討してみてください。
筆者
ヨーアンドマーレ代表
GIA・GG 米国宝石学協会 鑑定士 島田 洋輔